21Water 2005 IT Seminar
21世紀水倶楽部 ITグループセミナー「IT先端技術の活用法」(2005)
ディスカッション:ICカード
(フリートーク形式)
- ICチップやICカードは何に使えるか。維持管理に使えないだろうか。
- メンテナンスノウハウを組み込んで,センサー技術も使いながら,故障の発見や更新時期の予想などに活用できないか。
- ツールになるものの開発は必要としても,方向としてはそのように向かっているのではないか。開発のスピードは,緊急性や需要を含めて変わってくる。
- 世代間の感性の違いが,IT技術活用に影響するか。例えば,ライブドア話題の中で「TVは無くならないかもしれないが,主要なメディアではなくなる」という発言も聞かれた。若い世代の感性が既に変わっていて,「既に情報なんかあまっている。今更,下水道光ファイバーなんて」ということはないだろうか。
- 将来は,TVが絶対的なメディアではなくなるかもしれないが,インターネットが主要となるか,というのではないと考える。情報を発信している身元がはっきりしないものについては,それなりの信頼性しかない。既往のTV局が絶対的に正しいことしか放送していない,というのではないが,インターネット上の「2チャンネル」の内容を信憑性のあるものとしてみているわけではない。ただ,TVについても,ハードディスクレコーダーの普及で,CMを飛ばしで見るようになっても今のようなCM契約が続くか,などTVの方も変化せざるをえないだろう。
- On of 全部 ではない。「欲しい情報を,それぞれどこから探すか」ということ自体がビジネスにもなる。
- コンテンツをどうするかは重要な問題。魅力的なコンテンルを提供できないと,下水道光ファイバーは伸びないだろう。何が求められているかということ。
- 「IT導入の目的は」の部分で,本質を言い当てていると思う。現段階は,ニーズと提供がかみ合っていないのではないか。例えば,管路情報について経験則に頼っている部分も多い(この形のバルブはゆっくりまわす,このあたりはこのようなクセがある)。
- 規格などが,自治体で異なるという現状もある。阪神大震災で,他都市からの支援部隊が持っているものは,形が違っていてバルブを開け閉めできなかったなど。規格統一の話は,その点からもきているのは確か。
- 手段はあると思う。新しいバルブにはICチップが埋められているし,データベースを構築して,現場で呼び出せればよい。
- システム的なものはどうにでもなる。現実の世界では,「自動化すると,何人の人が職を失う」といった極めてWetな部分が制約になっている面があるもの事実。
- 検針などに使うことを考える場合でも,下水道だけではない。そもそも下水道では検針を行わず,水道使用量で料金を算出している。検針は,他に,ガス,水道などもあり,下水道のほうが,それらをまとめてリーダーシップをとろうというような元気はないのか。
- 普及率の違いもそうならない理由か。そもそも,「下水が,電気が・・・」ということがいいことか。
- ICタグリーダーの性能は問題ないのか。数ミリ単位まで近づけなければならないのであれば,適用範囲はせまい。検針でも,もっと遠くから,町内を一気にできるようにならないか。
- 日本の電波法上の制約であって,技術的には数m〜数十mまで実用化している。USAでは,自家用車に到着したICタグで門の開閉の自動化など使われている。電波法の改正の動きもあるので,国内でもより長距離化にはなる。
- 長距離の読み取りについては,問題もある。ICチップは非常に小さいので,ユーザーに気づかれずに製品(服や小物など)に装着される懸念もでてくる。本人も知らないうちに,リサーチされているという状況も考えられるため,リーダーで長距離でも読み取れることが,必ずしも良いとはならない。
- ICカードなどの紛失した場合の防衛は。磁気カードのようにスキミングされたりしないのか。
- ICカードと磁気カードを比較すると,磁気カードの方が読み取りやすい。ICカードからのデータ盗難は非常に難しい。特に,ICタグの場合は,「固体識別コード」のみなので,その「コード」をデータベースから削除すればよいだけとなる。
- ICカードの現時点での課題は,コスト。ICタグ(シール状のもの)で100円くらいであるが,10円レベルまで削減するのが当面の課題。目標としては数円レベルまで。ICカードについては,単純にカード状にしただけのもので約300円で,これに印刷コストなどが上乗せとなる。
- ITなりのリスクというものもあり,高度化した社会,成熟した社会である必要もあるということ。