神奈川県消費者団体連合会の「消費者のつどい」なかで,中流域の市民団体から「横浜の人は勝手に水を使い,汚し,流している。上流の我々は横浜の飲料水が汚れない工夫・努力をしている。それをよく解って欲しい」との意見。広島の牡蠣殻を行政と一体で運搬(殻は無償だが運送は有料)し,川底に敷き詰める活動。
「横浜でも上流の,使用後の水を飲むのであり,めぐりめぐって汚れのつけが生活に戻ってくる事は理解しており,海に流すときに汚さないよう努力している」と回答。
2000年の通産省統計では合成洗剤の販売量100万/年もの量。学生は「環境にやさしいシャンプーを発明すればいい」という。使わなくてもすむのに(自分自身はずっと使用していない),わざわざお金を掛けなくてもいいではないか,また,シャンプーで髪を洗うのはいいとしても,日に何度も洗う必要があるのか。
下水の汚れを極力抑えるための活動として「ファイバーリサイクルネットワーク」があり,リサイクルという言葉を使っている以上,"点だけではなく,点と点を線で結んで円にした循環型社会を目指す"としてファイバー(繊維)以外も行動。事務所では,ゴミ箱を置かない,温水器を設置しない,合成洗剤を使わない(使わせない)を実践。
ガラ紡織は断ち落としを糸に戻し,非常に荒く織ったもの。洗剤などとの比較実験も行ったが実際に非常によく落ちる。様々な商品があり,食器洗いだけではなく,野菜洗いや風呂桶にも。布の水切りもよく便利。活動を始めて30年以上。
少しずつやっても汚染は防げないのでは,という感想も出るが,少しずつでも共鳴する人がいれば,と続けている。
家庭での活動として,@汚れはできるだけボロ布や紙などで拭き取り台所洗剤は使わない,Aガラ紡織の"びわこふきん"(さわやかふきん,和布,などの呼び名も)を使う,Bスープ、みそ汁などは人数分を計って作る(残りを出さない),Cシャンプー・リンスを使わない。これらの活動は,教育の中で行って欲しいと考えている。
食用油については使い切りが基本。どうしても残る状況では廃油石けん。「これに染み込ませて流してください」などの食用油処理剤に対しては公正取引委員会より表示についての警告があったはず。処理剤を使ったほうが汚染が大きかったというデータ。通常,商品の表示が情報の目安になるのだが,その表示があやふや。
化学的な処理を要する方向だけではなく,元に戻る,という活動を進めているという消費者活動の一端の紹介。
講演3:生活者から見た下水道
服部 孝子氏:横浜市消費者団体連絡会事務局長
消費生活審議会,廃棄物減量化委員会委員,ファイバーリサイクル・ネットワーク代表など 幅広い活動に従事。