質疑 「東日本大震災における下水道の被害と対応」 2011.5.25 |
(質問1) 阪神淡路大震災でも下水道施設が大きな被害を受けたが、地上施設だけでなく、基礎杭等の地下構造物の被害も大きかった。今回の地震で基礎杭等の被害はどうなっているか。 (石井講師) 神戸市東灘処理場で発生したような基礎杭の被害が、今回の地震でどれほど発生しているかは現在のところ不明である。南蒲生浄化センター等で今後調査することとなるのではないか。 (質問2) 下水処理場被災80万m3と復旧費30万円/m3とすると復旧費は2400億円と推定されるが、新聞によれば公共土木災害の他に都市災害復旧費があって、こちらでも手当てされるのだろうか。 (石井講師) 下水道は、公共土木施設災害復旧事業の扱いになっており、通常の都市災害復旧よりは有利になっている。第一次補正予算では、被害額の報告に基づいて7751億円が計上されている。東日本大震災は激甚災害に指定されており、都市規模等によって国費率のかさ上げ率は一定ではないが、概ね9割以上になると理解している。 (質問3) 今回の原発事故でセシウム等の放射性物質が下水汚泥に蓄積され、焼却灰の保管等の対応がなされているが、その後の対応を教えてもらいたい。 (石井講師) 国の原子力対策本部から福島県に対して下水汚泥等の取扱いに関する考え方が示されている。放射能濃度によって脱水汚泥の取扱いが異なる。さらに、汚泥をセメントなどに有効利用する場合においては、クリアランスレベルが設定されている。 |