木更津の干潟(盤州干潟)見学会報告 2020/06/05
                      NPO21世紀水倶楽部   亀田泰武
 見学会をはじめたのが2004年からで最初は多摩川河口干潟見学であった。木更津海岸見学は2006年を皮切りに今年で11回目となる。 昨年は5月19日の日曜日で多くの人出があった。今年は新型肺炎により、潮干刈り場も開催が延び、見学会当日となった。見学会の参加者は少なく、総数3名でNPO水倶楽部からは2名。
 集合は2020年年6月5日(金)9:00木更津駅西口出口で、そこからタクシーで近くまで。潮の具合は翌日の7日の方が良かったが、大混雑が予想され平日とした。いつもより干潮時が早いため集合時間も早くなった。
 当日の潮の状況は、潮位表で東京は6日が満月で、6/5は干潮は10:21の7cm満潮が22:43の98cm。
 干潟に降りてみると人出は10人程度と少なかった。最初に目についたのが砂のとぐろで、これはタマシキゴカイ(通称クロムシ)が吐き出した砂。タマシキゴカイは2016年にも大発生していてこの時と同じくらいの発生量。また砂のくぼみにシロボヤが多数見られた。多分はじめての大発生と思われる。これは食用にされていない。
 岸近くでもアサリはいて、沖に向かったがその途中もサイズは大きくないがけっこうアサリはいた。
 岸から少し離れたところではアサリの稚貝がけっこう見られた。
 昨年ハマグリが多数いた付近では同じように多数のハマグリがいて、アサリより多いくらいであった。いくつかのハマグリにアサリの稚貝がしがみついていた。今年のハマグリも撒いたものであるがけっこうあちこちにいるようであり、多数取れ、皆4cm以上の大きさであった。一個だけ小さいハマグリが取れ、貝模様も独特で多分ここで育った貴重なものと考える。
 アサリは栄養状態がいいようでけっこう分厚く、昨シーズンから生き延びたと思われるような少し大きなものも見られた。
 その沖の方は広範囲にわたり貝殻ばかりでアサリもハマグリもいない状態で、ただツメタガイの卵塊がいくつか見られた。卵塊が見られたのはここだけであったが、ハマグリがけっこう多いところで身を広げ活動中のツメタガイに遭遇した。
 沖の方に海岸線に平行なネットが張ってあり、これはアカエイの食害を防ぐとともに人が刺されることの防止のためのものらしい。その手前を多数のヤドカリが右往左往していたのでビデオにおさめた。沖に移動したくてここまで来たものらしい。ユーチューブ 2012年の調査で干潟の先の波打ち際で泳いでいる小型のアカエイを追っかけて撮った写真を整理したら、足下に大きなアカエイが3匹も映っていたのを思い出した。
 今回、シオフキはたった一つで、バカ貝とミル貝は見ることができなかった。これまで人が入っていなかったせいか、マメコブシガニも大きいように,といっても2cm程度。
 今年はハマグリが大量で、長らく来ているがはじめて2kgくらい取れた。
 漁協の人に聞く機会があり、数年前から数ミリのアサリ稚貝を集めて波静かな港内の筏の下の砂床に収容し,少し大きくなってから撒く事業を行っている。越冬で飛来するスズガモとアカエイの食害が大きく、スズガモ対策として飛び立てないよう冬にネットを張っているなど。

     ーアサリの芸術

タマシキゴカイの砂とぐろが至る所に  シロボヤ(下)と砂とぐろ
中間でけっこう見られたアサリ稚貝  ハマグリに足糸でしがみついているアサリ稚貝。5個も 
ネットフェンスで沖に行けず右往左往するヤドカリ
ビデオ ユーチューブ
 
海の掃除屋の巻き貝のキサゴとアラムシロガイ、右にハゼの子。