活性汚泥法誕生百年記念研究集会報告
    「未来の下水道システムを探索する」  平成26年4月10日 NPO21世紀水倶楽部 
  
1,開催主旨
 活性汚泥法が英国で発明され、ちょうど百年になるが、いまや家庭排水を処理するだけでなく、工場排水処理などにも範囲を広げ世界中で広く使われている。我が国では、全下水量の99%を処理していて、これほど優れた存在のプロセスはないと考えられる。発明されて百年たったことを記念して、長期的な将来、どういう姿になるのか、難しい課題であるが、新進気鋭の研究者の方々に、下水道、下水処理の将来の夢を語っていただこうという主旨で企画し、4月10日(木)午後2時から砂防会館別館(シェーンバッハ・サボー)3階立山会議室で開催した。参加者は66名であった。

2,講演者
 ●(独)土木研究所 材料資源研究グループ リサイクルチーム  日高 平主任研究員
 ●北海道大学 大学院工学研究院 環境創生工学部門 木村 克輝准教授、
 ●東京大学  大学院新領域創成科学研究科  佐藤 弘泰 准教授
 ●コーディネーター   村上 孝雄会員
 
 
  左から 佐藤 弘泰准教授   木村克輝准教授、   日高平研究員
 
3,討議内容
 
次のような項目が講演・討議された
遺伝子情報解析の進歩 
様々な手法による活性汚泥シミュレーション
次世代解析機(ミクロの世界のメガデータ処理の進歩)
未解明な微生物活動や汚泥分離の挙動の解明
流入下水の変化はあるか、生ゴミとの関連
循環利用ー分散処理の可能性
膜技術の改善と応用
有機物をいかに効率的に早く取り出すか
パイプラインでの処理
活性汚泥の安定性、柔軟性はすごい
今のそこそこの処理レベルを上げるのは飛躍が必要だろう
微生物の身になって考えよう。別の発想がでるかも
画期的な働きの特定の新規微生物の可能性
温暖化防止の観点からチッソをうまく除去する方法
屎尿分離の可能性
膜分離の今後の可能性
細胞膜のような生体膜を使った全く新しい物理化学処理の可能性
人口減など地域の特性に応じた下水道システムの展開
ツールは沢山あった方がいい
エネルギーの制約がなくなったらどうなるか
新技術の導入が進めにくい
環境工学の範囲をもっと広く