水道の浄水に比べてどうして排水処理にお金がかかるの
もともときれいなものをもっときれいにするのに比べ、非常に汚れたものをきれいにするには手がかかるのです。
汚れのもとである有機物量を考えると、百倍近く多いのです。有機物量で、1立方メートル中で、浄水場に入ってくる河川水は2gくらいですが、排水は200gもあります。この有機物を取り除くため排水処理では微生物の働きを利用しますが、大量の有機物を食べてもらうため長い時間がかかり、微生物の呼吸のための大量の空気(1立方メートルの下水に対して5立方メートル内外)を送るためエネルギーがかかります。その後沈殿池でゆっくり泥を分離します。浄水場では水中の小さな汚れをとりやすくする凝集剤を少し加え(1立方メートルに2g程度)、沈殿,ろ過します。排水処理の時間は8〜12時間くらいですが、浄水処理では1〜2時間ですみます。
また排水処理で発生する泥の処理も手間がかかります。有機物のかたまりですから腐敗しやすく、水分をとるのも大変です。泥は下水処理場では汚泥処理施設、浄化槽では屎尿処理場に運び、何段階かの操作で無害化していきます。
このように生活排水は汚れの量が非常に多いため、処理が大変になります。