京都市の中心繁華街の四条通りに設置されている大規模落差人孔で、昭和41年に完成。円筒形で外径、高さとも約8m、一番外側に幅1.6mの螺旋形の流路、その内側に幅80㎝の螺旋階段の歩廊があり、中心の径2mは吹抜の空間になっている。
分流式であった東山排水区のうち四条通り以北は、染色工場の多い一乗寺地区を加えて合流式に変更されたため、四条通りを南北に横切る東山1号幹線(φ1250㎜)の大和大路四条に分水人孔を設け、下水の一部を新設の東山分流管(φ1600㎜)に分水し、鳥羽処理場に直接送ることとなった。当該人孔は、東山分流管の起点人孔で、東山1号幹線からの分水を東山分流管に流入させる施設である。
東山分流管にはシールド工法、圧入工法が採用され、大和大路四条に置かれた発進立坑が接続人孔として利用された。東山分流管は東山1号幹線と並行して布設することになるが、道路が狭く、シールド工法では東山1号幹線との離隔を確保する必要があった。また地下埋設物も多く、深い位置に東山分流管を布設する必要があり、接続人孔には、高落差を円滑に流入させる螺旋構造が採用されたと推察される。 |
東山排水区から低地にある鳥羽処理場までに鴨川を横断する等、高さを調整する必要があったことも、高落差人孔を設置した理由と考えられる。
なおその後、東大路通りに大規模雨水貯留幹線である東大路幹線が整備されたことから、本特殊人孔から同幹線へのバイパス管も建設されている。
【参考文献】
1) 京都市管路工事:東山分流管、下水道協会誌1967年5月
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写真⁻1 四条縄手特殊人孔の内部状況(京都市提供) |
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図-1 四条縄手特殊人孔の位置(本下水道台帳の掲載は京都市のご了解を得ています) |
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