デリーの階段井戸   2014/8撮影2014.1             榊原 隆      
 皆様は階段井戸(Step Well)をご存知でしょうか。
釣瓶を用いて水を汲み上げる従来の井戸と違って、実際に人が階段を昇り降りして水際までたどり着くタイプの井戸です。
筆者がデリーで2年と8か月を過ごしたアパートの隣に、偶然にも「アガルセン(ウガルセン)の階段井戸」と呼ばれる階段井戸がありました。

すぐ近くにあるのでいつでもいけると思って先送りになっていましたが、今年の1月に日本からのお客様が来られた機会に一緒に行ってみました。
言い伝えによると、この階段井戸は、昔一度建造されたものを14世紀になって再度Agarwalと呼ばれる商人カーストの人々が改築したようです。

3層の2重アーチ構造の壁面はローマ時代の建造物を思わせる立派な造りで保存状態もよく見応えがあります。長さ60m、幅15m、階段は103段あります。

デリーの中心にあるコンノートプレースからすぐの住宅地の中に人知れずひっそりと存在していますが、とある旅行情報サイトの調べによると、デリー首都圏にある265箇所の観光スポットのうち69位とまずまずの評価を得ているようです。

この他にもデリー市内には南部のメーローリ(Mehrauli)地区を中心にいくつかの階段井戸が残されています。またデリー以外ではグジャラート州のアーメダバード郊外のアダーラジの階段井戸も一見の価値があります。皆様ももしデリーやアーメダバードで時間ができましたら、訪問されることをお勧めいたします。