安藤茂氏の原文(全文)
阪神は惜しいところで日本一を逃し、フアンにとっては誠に残念な事でありました。名将監督は退いてしまいましたが選手の皆さんに奮起してもらって来期に期待しましょう。大阪・神戸での祝勝パレードは65万もの人出だそうで、近畿圏のタイガース優勝に懸ける執念は大変なものです。しかし、日本一を逃したお陰で道頓堀へのダイビングはなくなり結構な事と思います。もっとも秋も中盤となればでは水も冷たいし、気温も低いから忽ち風邪を引いてしまいますけれどね。
道頓堀は大阪の代名詞と言えるくらい著名な水路ですが、都市化が進み、下水道などの都市施設が整備されて水質汚濁が目立つ様になってしまったことは皮肉な話です。大阪市は道頓堀にある30近くの雨水分流堰を急遽2〜3に減らし、残りは遮集して一時貯留し、降雨が終わってから処理場に送る様にするそうです。ですからまもなく清澄な道頓堀が戻ってくるでしょう。近畿圏の景気が一日も早く回復し、活性化した経済の下、水面に写った青い灯、赤い灯をめがけて、飛び込んでも衛生的には問題のない水路となる様祈念しています。
合流改善については国土交通省もこれから本腰を入れて施策を講じて行くようです。10月に発表された社会資本整備重点計画でも合流改善が取り上げられ、アウトカムとして現在15%の整備水準を平成19年度末には40%に引き上げる事がうたわれています。また、これに呼応してSPIRIT21で開発・評価を終えた改善技術メニューがいくつか示されています。
改善の方法としては、大阪市の様に雨天時下水を出来るだけ遮集して既設処理場で処理する方法をはじめ、分流堰(オンサイト)で夾雑物ゴミをとったり、高速凝集沈殿処理したり、消毒をしたりする等、いろいろな対応策が考えられています。しかしまだ決め手となるような方法は現れていません。当面は地域の実情に応じてもっとも良い方法を選んで対策を講じていく事となります。 |
対策をとるに当たっては、改善目標、つまりどこまで汚濁負荷、汚染量をカットしたら良いのかを定める必要もあります。平成13年に設置された「合流式下水道改善対策委員会」は@汚濁負荷量を分流式と同程度に削減、A未処理下水の放流回数を半減、B夾雑物の流出を防止 する対策をおおむね10年以内に達成することを提言しています。
また新たに改正された下水道施行令では構造上の基準、放流水質基準が規定されました。前者については@雨水の影響が大きくないときには雨水吐きから下水が訪中しない措置、Aスクリーンの設置により夾雑物の流出を最小限とする措置が規定されました。後者については吐き口から流出する放流水の平均的BOD濃度を40mg
/l以下とすることが規定されています。
このように合流改善対策は着実にいろいろな手が打たれていますが、道頓堀や海水浴場に関係が深い大腸菌群数等ついては未提言で、皆のコンセンサスが得られているとは限りません。一つの課題です。この辺についても、皆さんの考えを是非寄せていただきたいと思います。
合流改善コーナーを設けてから大分時間が経ちましたが、まだ皆さんからの提言や意見はほとんど寄せられておりません。中央や地方官庁の動きは動きとして、非当事者の岡目八目的な意見や提言でも構いません、皆さんの投稿をお待ちしています。
このコーナーでの討議に参加する際、考え方を整理する意味で、コーナー担当の安藤が、討議項目(ジャンル)を別紙の様に整理してみました。この中のどの部分でもいいと思います。皆さんの考えていることをメモにして是非投稿して下さい。
私はと言えば、先にも触れた大腸菌群数の放流基準のあり方に疑問と言うか、興味が有り、どのような経緯で基準が決まったのか目下調査中です。結果がでたら、整理してこのコーナーに乗せたいと思います。 |